こんにちは、調律師の西見です。
先日お電話にてピアノの調律をするためのチューニングハンマーは売っていますか?というご質問がありました。
ピアノは、チューニングピンという突起状の棒を回すことで音の高さを調整します。チューニングハンマーというのはそのチューニングピンを動かすための道具です。
ピアノの大きさにもよりますがピンは全部で220~230本あり、それを一本一本調整するのが「調律」です。
チューニングハンマーは使用に足るもので1万円程度から購入できます。
他に必要なものをそろえても2万円もあれば、最低限調律に必要な道具は揃えられるでしょう。
さて、本題に戻りますが、個人的には調律はプロに任せたほうが無難だと思います。
先ほど、チューニングピンを回して音の高さを合わせると言いましたが、ものすごく狂っている場合を除けば、実際の調律ではピンを回すことはほとんどありません。ピンを大きく動かすほど、根元の板(ピン板)を傷めてしまうからです。私たちはピン操作と言ったりしますが、触れるとか力を加えるくらいのニュアンスのほうが近い気がします。
このように、音を合わせる作業はとても繊細で経験を踏まなくてはなかなか習得できるものではありません。
また、精度の高いチューナーもありますが、調律師はチューナーを参考にすることはあっても、それ通りに調律する人はまずいません。あえて理論値から外すケースもあります。全体のバランスを考えて美しさや心地よさのあるピアノに仕上げるためには経験が必要です。
調律はしてもらっているのだけど、1音だけ変なところがあるを直したい、というようなときも、まずは担当する調律師に相談してみましょう。