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2022年6月の記事一覧

  • ピアノを置く場所

    こんにちは、調律師の西見です。 ピアノをおうちに迎い入れる際は、重さを気にされる方が多いです。 今日はピアノを置く場所についての注意しておく点をお伝えします。 1.床の強度について ピアノの重量はグランドピアノで255㎏~410㎏、アップライトピアノで210㎏~275㎏です。 一般住宅の場合、1平方メートルあたり180㎏耐えられるように建築基準法で定められています。ピアノの横幅は150㎝程度、奥行きはアップライトピアノで60~70㎝程度、グランドピアノで150~230㎝程度ですので、事前に基準をクリアしているかの確認が必要になります。 経験上、補強なしで床が抜けてしまったケースは聞いたことがありませんが、特にピアノが重い場合や設置が1階以外、木造建築の場合などは工務店やハウスメーカーに確認をとったほうが無難といえます。 2.設置場所 設置場所で避けたほうがいい場所は ➀直射日光が当たる場所 ➁浴室近くなど、湿気のたまりやすい所 ➂エアコンの風が直接当たる場所 ➃床暖房の上 ※断熱マットなどで対応可 です。 ピアノは温度や湿度の変化に敏感に反応します。 変化の繰り返しや過乾燥・過湿は調律や調整の狂いにつながり、歪みや割れ、錆など故障の原因にもなるので注意が必要です。 ピアノにとっての快適な温度は20℃程度、湿度は50%程度で一定が理想です。一般のご家庭では温度は15~25℃、湿度は40~60%に収まっていれば、大きなトラブルにはつながりにくいでしょう。 他に、背面から音が出るので、お隣に面している壁は避けるのが無難です。 また、ピアノは調律や調整作業が必要ですので、椅子を置く側(手前側)に奥行き1メートル程度のスペース、さらにアップライト場合は右側に15㎝程度のスペースを設けていただくと、メンテンナンスの際にスムーズに作業を行うことができます。

  • サイト開設にあたって

    はじめまして。ピアノ調律師の西見と申します。 普段は栃木県の県南地域にあるオンダ楽器の一社員として働いています。 ほとんどの人がインターネットから情報を得るようになって、私もよく検索をするようになりました。 そのなかで「得た知識を体系的にまとめておきたい」、「自分を含め、同僚の技術者としての考え方も残したい」、「同分野はもちろん、他分野も学ぶことで、幅広い捉え方ができるようになりたい」と考えた末、多くの人にも共有してもらえるようにサイトを作ろうということになりました。 このサイトでは、音楽や楽器にまつわる身近な疑問や豆知識をはじめ、専門の技術者によるプロの視点からのアドバイスなども掲載していきます。面白い記事を見つけた際はそちらの紹介もしていきます。 このような活動を通して皆様の音楽ライフを少しでも豊かにするお手伝いができれば幸いです。 ※他でもいえることですが、技術の分野には様々な考え方や方法論があり、数年後には正解が変わっているということもあります。私も一技術者として、驕らず日々精進しようと思っておりますが、先輩方と比べて、至らぬところや間違った認識を持っているところもあるでしょう。気づきを得た際には、なるべく早く内容を訂正したいと思います。

  • ピアノを置く場所

    こんにちは、調律師の西見です。 ピアノをおうちに迎い入れる際は、重さを気にされる方が多いです。 今日はピアノを置く場所についての注意しておく点をお伝えします。 1.床の強度について ピアノの重量はグランドピアノで255㎏~410㎏、アップライトピアノで210㎏~275㎏です。 一般住宅の場合、1平方メートルあたり180㎏耐えられるように建築基準法で定められています。ピアノの横幅は150㎝程度、奥行きはアップライトピアノで60~70㎝程度、グランドピアノで150~230㎝程度ですので、事前に基準をクリアしているかの確認が必要になります。 経験上、補強なしで床が抜けてしまったケースは聞いたことがありませんが、特にピアノが重い場合や設置が1階以外、木造建築の場合などは工務店やハウスメーカーに確認をとったほうが無難といえます。 2.設置場所 設置場所で避けたほうがいい場所は ➀直射日光が当たる場所 ➁浴室近くなど、湿気のたまりやすい所 ➂エアコンの風が直接当たる場所 ➃床暖房の上 ※断熱マットなどで対応可 です。 ピアノは温度や湿度の変化に敏感に反応します。 変化の繰り返しや過乾燥・過湿は調律や調整の狂いにつながり、歪みや割れ、錆など故障の原因にもなるので注意が必要です。 ピアノにとっての快適な温度は20℃程度、湿度は50%程度で一定が理想です。一般のご家庭では温度は15~25℃、湿度は40~60%に収まっていれば、大きなトラブルにはつながりにくいでしょう。 他に、背面から音が出るので、お隣に面している壁は避けるのが無難です。 また、ピアノは調律や調整作業が必要ですので、椅子を置く側(手前側)に奥行き1メートル程度のスペース、さらにアップライト場合は右側に15㎝程度のスペースを設けていただくと、メンテンナンスの際にスムーズに作業を行うことができます。

  • サイト開設にあたって

    はじめまして。ピアノ調律師の西見と申します。 普段は栃木県の県南地域にあるオンダ楽器の一社員として働いています。 ほとんどの人がインターネットから情報を得るようになって、私もよく検索をするようになりました。 そのなかで「得た知識を体系的にまとめておきたい」、「自分を含め、同僚の技術者としての考え方も残したい」、「同分野はもちろん、他分野も学ぶことで、幅広い捉え方ができるようになりたい」と考えた末、多くの人にも共有してもらえるようにサイトを作ろうということになりました。 このサイトでは、音楽や楽器にまつわる身近な疑問や豆知識をはじめ、専門の技術者によるプロの視点からのアドバイスなども掲載していきます。面白い記事を見つけた際はそちらの紹介もしていきます。 このような活動を通して皆様の音楽ライフを少しでも豊かにするお手伝いができれば幸いです。 ※他でもいえることですが、技術の分野には様々な考え方や方法論があり、数年後には正解が変わっているということもあります。私も一技術者として、驕らず日々精進しようと思っておりますが、先輩方と比べて、至らぬところや間違った認識を持っているところもあるでしょう。気づきを得た際には、なるべく早く内容を訂正したいと思います。